お役立ち情報
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助成金の活用と受給のポイント

助成金の活用と受給のポイント



●助成金を受給するためのポイントとは?
 より確実に効率よく助成金の受給に繋げるためには幾つかポイントがあります。
 以下の通り、助成金申請の検討と併せて一定の準備等が必要となりますので、ご参考にしてください。

  1. 助成金の趣旨を理解しましょう
     会社は、該当する助成金制度の趣旨に沿った雇用に関する必要な措置を講じるわけですから、申請を検討する際には、自社にとって対応可能なのか、何をいつまでに行えばいいのか、実務上の影響はどの程度なのか、などを検討する必要があります。
  2. 計画的に進めましょう
     助成金の受給の成否は、事前の「計画」と「準備」で、ほぼ決まるといっても過言ではありません。
     助成金の申請を決めたら、申請までの計画をしっかりと立てて準備が調ったら、あとはゴールに向けて淡々と計画通り作業を進めていくだけです。
  3. 雇用の維持に努めましょう
     助成金支給の目的が「雇用の安定」ですから、解雇等の会社都合退職があった場合は、多くの助成金において一定期間は助成金を受給することができません。よって日頃から従業員の雇用の維持に努めることが肝要といえます。
  4. 労働法令の遵守、労働保険料の滞納がないようにしましょう
     助成金制度の目的から、労働法および関連法令の遵守は必須といえます。
     また助成金制度は労働行政の下に行われている事業であり、その財源が雇用保険料であるため、労働保険料の滞納がある場合は、助成金を受給することはできません。
  5. 管理帳簿(労働三帳簿、会計帳簿など)を整備しておきましょう
     助成金申請の審査は、原則として書類審査です。雇用に関する事実確認をする書類として、帳簿は重要な意味を持ちます。特に「労働三帳簿」と呼ばれている、@労働者名簿、A賃金台帳、Bタイムカードまたは出勤簿、はしっかりと整備しておきましょう。また、労働契約書または労働条件通知書などは必ず従業員と取り交わしておきましょう。
  6. 「就業規則」も整備しましょう
     常時雇用する従業員が10人未満の会社は就業規則の作成および届出の義務はありませんが、助成金によっては会社の労働条件等を確認する書類として就業規則若しくは就業規則に準じる書類が必要となることがあります。就業規則等を整備していない会社は、助成金申請を契機に自社の労働条件をはじめとした労務管理全般を見直し、就業規則を作成・変更等を検討されることをお勧めします。
     また就業規則を整備しておけば、今後、別の助成金の申請をする際にも便利です。
  7. 疑問点は些細なことでも、助成金窓口の担当者に確認しましょう
     助成金のパンフレットに、全ての情報が網羅されているわけではありません。支給要件の記載内容が難解であったり読み誤ったことなどが原因で、助成金の受給に影響を及ぼす可能性もあります。
     また同一の事由で複数の助成金の申請を検討している場合には、併給調整により一方の助成金を受給できないことがあります。
     少しでも不明なことは管轄の行政機関や申請窓口等で確認されることをお勧めします。
  8. スケジュール等の管理をしっかり行いましょう
     助成金申請において、スケジュール等の管理は非常に重要なタスクです。特に申請期限の遵守は絶対です。せっかく支給要件に該当し必要な措置を講じた場合であっても、一日でも期限より遅れたときは、如何なる理由があっても申請は受け付けてもらえません。
     申請期限のほかに、対象労働者の雇用日、就業規則の実施日など、各助成金の要件に基づくタイミングによって受給の成否に大きな影響を与えることがあります。
     うっかりミスで折角のチャンスを逃すことがないよう、助成金申請に関する管理はしっかり行いましょう。
  9. 自社に合った助成金を見つけたらすぐ動きましょう
     助成金は毎年のように改廃を繰り返しています。「そのうち申請を考えよう。」とのんびりしていると、翌年にはその助成金が廃止になっていたり、改変により支給要件が厳しくなっていたりすることがよくあります。まさに「旬」を逃さないことが助成金受給のポイントのひとつといえます。



●助成金の受給例
 以下に紹介する会社は、製造業で従業員数3名の小さな会社です。
 機密保持義務上、会社名は伏せますが、実際に当事務所が助成金申請の代行をさせていただいた会社です。
 この会社は、上述の「助成金を受給するためのポイント」をしっかりと把握した上で、助成金申請に関し積極的かつ真摯に取り組んだ結果、約3年間で、計4種類、総額で約185万円の助成金を受給しました。
 会社規模に係らず、受給のチャンスはどの会社にもあるということを証明した成功例といえます。

【受給した助成金】
 □継続雇用定着促進助成金 (受給額:90万円)
   65歳までの継続雇用義務の法制化に伴い、現在は廃止となっていますが、廃止直前には
  駆け込みで申請する事業主が相次ぎ、多くの会社で活用された助成金です。
 
 □子育て支援助成金 (受給額:60万円)
   子育て支援の制度として、短時間勤務制度を導入し実際に活用したことにより助成金の受給となり
  ました(※ 短時間勤務制度の導入に伴う助成金は、平成22年度以降、両立支援レベルアップ
  助成金(短時間勤務支援コース)へ移行されています。)。
   当時は現在と比較して子育て支援に対する中小企業の意識が希薄であったためでしょうか、
  この会社は所在地のある都道府県内で最初に当該助成金の認定を受けることとなりました。
  まさに旬を逃さなか  った結果といえるかもしれません。特に当該対象労働者が男性であった
  ため、行政の担当者も注目していたようで、速やかに支給決定がされました。
   同様の主旨の助成金がさらに拡充傾向にありますので、当該助成金を含めて子育て支援関連の
  助成金は当分の間、「狙い目」といえるでしょう。
 
 □育児休業取得促進助成金 (受給額:約15万円)
   「子育て支援助成金」と並行して受給した助成金です。対象労働者に対し、一定の賃金補助をした
  ため受給に繋がりました。(※ この助成金は平成23年3月31日をもって廃止となりました。)

 □定年引上げ等奨励金(受給額:20万円)
   「継続雇用定着促進助成金の流れをくむ助成金」ですが、この会社は継続雇用年齢を65歳から
  70歳へ引き上げる制度を導入したことにより受給となりました。
   定年引上げ等の継続雇用に関する助成金は、一定の役割を終えたとも言われていますが、
  高齢者の活用を検討中の会社にあっては、利用価値のある助成金といえそうです。


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文書作成日:2010/09/11

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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