労働問題等に係る事業主向けサービスのご案内
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あっせん事例
ADR,あっせん,労使紛争,解雇,未払い残業,問題社員


以下に、あっせんの特色を踏まえたいくつかの事例をご紹介いたします

 
 ≪事例T 解雇の事案≫

 事案の概要
 従業員50名の小売業。不採算店舗を閉店せざる得ない状態になり、店長のAにその旨を打診した。従業員は他の店舗に異動とし、店長Aも条件は下がるものの他の店舗への配置は可能であるとしたが、Aは異動を拒否したものである。 会社はやむを得ず、賃金1か月分を補償する約束をしたうえでAに退職勧奨したところ、Aも退職に合意した。 ところが、後日Aは、解雇されたとして慰謝料180万円を内容証明郵便にて要求してきたため、「本件は退職勧奨に基づく合意退職であることから、解雇の問題は生じない」旨、回答したところ、Aがあっせん申請に至ったもの

 法的見解
 退職届など退職の合意を証する文書もなく、Aが退職に合意したとは言い難い現状。解雇でないなら、職場復帰も検討する余地があるものと考えられる

 解決方法
 実はAが問題社員であったことから、会社は退職勧奨に応じてくれてホッとしていた。職場復帰は考えたくないという会社の意向から、過去の問題行動を探ったところ、現従業員や元従業員の証言から、職場放棄の実態が判明。閉店時間前に店舗を締めていたこともわかった。当時の会社の指導文書、現従業員や元従業員らの陳述書、レジの記録等証拠も揃い、損害額も算定できた。これにより、相手方の請求の大半を退け、請求額180万円に対し10万円での解決が成立した

 ポイント
 あっせん期日前に、詳細な答弁書を作成し証拠を示すことによって、Aが問題社員であるという認識をあっせん委員に与えることができた。本件は解雇ではないと考えられるが、仮に解雇する場合においても、正当な理由があること、損害賠償請求の余地があること等を知らしめた。あっせんは証拠主義ではないものの、あえて証拠を示すことで使用者に有利な展開を作った事例である


 
≪事例U いじめ・嫌がらせ・ハラスメントの事案≫
 

 事案の概要
 従業員5名の歯科医院。仕事も遅く、ミスが多い従業員B。業務内容は、患者に直接関係する事なので、ミスは許されない。「今度やったらクビだ!」「何故こんなことができない!」「どうかしてるんじゃないか!」「役立たずが!」と医師が叱咤を繰り返していたところ、Bは勤怠不良となり、自主退職をした。 後日Bが、医師よりパワハラを受けて退職に追い込まれ、それが原因でうつ病になったと主張し、慰謝料と治療費を請求してきた。 医院がこれを拒否したところ、あっせん申請に至ったもの。

 法的見解
 指導の域を超えた言動は、ハラスメント(人権侵害)として不法行為にあたるものと考えられており、医院側に不備がないことを証明できない限り、使用者責任を問われる可能性がある。また使用者は、就業環境(従業員の安全・健康等)に配慮する義務があるとされている。

 解決方法
 Bは一人での外出もままならない状況になっていた。紛争を長引かせ症状を悪化させることは労使双方にとって得策ではないと判断し、早期に解決することを最優先とした。本件は、医院側がBの能力不足、指導の一環としての言動であることを強調したうえで、一部に過ぎた言動があったことを認め、3か月分の賃金相当額の支払で和解した。

 ポイント
 裁判では、人権侵害に対する損害賠償額はさほど高くない。 よって、あっせんにおける和解金額については、判決の傾向を踏まえてあっせん委員が申請人を説得してくれることが期待できる。証拠に乏しいハラスメント事案は、労使双方にとってあっせんでの解決が適しているといえる。

 


 
≪事例V 雇止めの事案≫
 

 事案の概要
 従業員10名の製造業。会社は経営難の状態が続き、従業員のリストラを考えざる得ない状態となっていた。A氏は契約期間1年の更新を繰り返し、8年間同社に勤務していた。契約の更新手続きもなく勤務していたが、契約期間満了日を1ヵ月以上経過した日に、会社から突然「契約期間は6ヵ月。更新の可能性なし」という通知がきた。A氏は当然1年の更新であると思っていたので、これを拒否した。書面を交わさずにそのまま就労を続けていると、6ヵ月経過日に雇止めとする旨通知された。これを不服であるとして、あっせん申請に至ったもの

 法的見解
 期間の定めのある契約の更新を怠った場合は、同期間同条件にて契約が更新されたと考えるのが妥当。一方的な通知で契約期間を変更できるものではない。1年契約であるところ、6ヵ月で契約を解除すれば、やむを得ない事由があることを会社が証明しなければならない。また、A氏は8年もの間、同社に勤務しており、契約更新の際に手続きがとられていなかったとすれば、手続きは形骸化していたといえる。そうであれば期間の定め自体が形式的なもので、A氏との契約は、既に期間の定めのない契約に転化しているとも考えられる。これらを勘案すると、A氏の継続雇用への期待権は認められ易く雇止めは無効となるおそれがある

 解決方法
 経営難の局面においては、正社員より先に非正規雇用者が雇用の調整弁となることは避けられない。しかし、本件に関しては、事前の通告もなく、しかも更新手続きを経ることなく黙示の更新がされた中での一方的な契約期間の変更である。またその後の雇止めについても、期間の定めのない契約に転化しているとの主張が成り立てば、不当解雇であるという主張にも発展しかねない。本件は会社の手続きの瑕疵が原因であり、従業員に非があるものではない。これ以上の紛争の拡大は会社にとって得策ではないと考え、賃金6ヵ月分の支払いで和解した

 ポイント
 期間の定めがある契約期間中は、やむを得ない事由がない限り、途中で契約を解除することはできない。そして、やむを得ない事由がある事の証明責任は会社にある。また、継続雇用への期待を持たせていたと認められた場合は、その期待権が保護される。
会社としては、あくまでも雇止めであったことを前提に、不当解雇の問題は存在しない旨を主張した。一方で、契約期間の1年については譲歩し、残期間6ヵ月分の賃金を補償することで、合意に至ったものである

 


 
≪事例W 労働条件引き下げ・解雇の事案≫

 事案の概要
 従業員20名の製造業。従業員C(正社員・女性)はミスが多く、顧客からのクレームがたびたび出ていた。営業部門から製造部門へ配置換えを行ったが、ミスが減ることはなかった。しかし、Cはプライドが高く他者の意見を聞かないため、同僚から「Cと一緒に働きたくない」という声も多く寄せられていた。仕方なく会社は管理部門へ配転し様子を見たが、相変わらずミスは続き、何度となく注意をしたが直らなかった。正社員として任せられる仕事がなくなったため、会社はCを清掃と雑用を主とする仕事に限定したパート職とし、賃金を30%下げることとした。Cはこれを不服であるとして、管理部門の正社員としての地位確認を求めて、あっせん申請に至ったもの。

 法的見解
 身分変更等の労働条件の低下は、本人の同意が必要である。しかし、会社はこれに応じなければ解雇するという意向を固めている。これは「変更解約告知」であり、通常の解雇権濫用法理が適用されることになる。よって、会社は、指導しても改善の余地がない事など客観的な理由を示す必要がある

 解決方法
 Cは現職復帰を強く望んでおり、それがダメなら賃金1年分の補償を求めていた。一方で、会社は口頭で注意したり、配置転換はしていたものの、書面における指導の記録、始末書の提出、懲戒の実績など、指導したことや改善の余地がないこと等を示せる客観的な資料を残していなかった。 しかし、客観的な証拠の乏しい会社としては和解による解決を望んでいたが、Cに提示できる金額との差が大きいことから、解決の見込みは薄いと思っていた。 ところが、C3ヶ月後に結婚を控えている事がわかった。そこで会社は、「一時的に正社員として管理部門に戻し、3か月後に一身上の都合による退職」という和解案を提示したところ、合意に至ったものである

 ポイント
 結婚を控えているのに、「パートにされた」「解雇になった」ということでは本人のプライドが許さないのではないか?というところに着目。あっせんならではの柔軟に解決した事例である



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